エクアドル ナショナル再考

エクアドル ナショナル2種
昨年11月にやって来たエクアドル産カカオ豆
あまりにも苦くて渋いので販売を取りやめていますが
3か月ほど経ったので少しは落ち着いているか?と思い本日再テイスティング
メリディアンカカオ社
実は、先日の「クラフト チョコレート フェスティバル」に
アメリカのカカオ豆販売会社「MERIDIAN」が来ることを知ったので
あの苦くて渋いカカオ豆の正体を聞く為に女将に持って行かせていたのです。
素敵なお二人
GINO DALLA GASPERINAさんによると
「発酵不良の豆」と言うことでした…
(CCN51なのかナショナルなのかは確認できず…)
そして、カカオ豆のサンプルを山ほどくれたのでした!!
パッケージ
で、先週エクアドルを作ってみる
このエクアドルはグアヤス県バラオ地区にあるカミーノ・ベルデ農園のもので
発酵はBタイプ去年の12月に収穫されたものです。
カミーノ・ベルデ農園の詳しい情報はダンデライオンさんのホームページに
出ています。詳しく知りたい方はこちらへ
見た目は変わらない
生カカオ豆の見た目はうちが仕入れたものと全く変わりません。
外見上の欠点豆&クズ豆混入率も10%弱とそれほどかわりませんでした。
発酵不良豆
焙煎・皮むき後の豆割で除去した15%ほどの豆のほとんどすべてが
あの黒くて中が赤い「発酵不良豆」でカビ豆はありませんでした。
こちらの農園ではナショナルとCCN51を区画を分けて栽培しているので
やはりこの豆はナショナルの発酵不良豆ということで間違いなさそうです。
3号機デビュー
今回うちの3号機がデビュー
Premier 社のチョコレートリファイナーです!!
立花商店さんにあった最後の1台をゲット
上部を覆うことで65度の温度を維持できましたし中々良い感じです。
3種味比べ
で、エクアドル ナショナル3種味比べ
写真左が11月に作った発酵不良豆入りエクアドル ナショナル
写真中央が12月に作った黒い豆を全部排除したエクアドル ナショナル
写真右が今回作ったエクアドル ナショナル カミーノ・ベルデ農園です。
残念ながらうちの仕入れたエクアドル ナショナルはどちらも変わらず
苦くて渋いままでした…70%捨てた赤いほうは幾分ましですが…
カミーノ・ベルデ農園は苦味・渋味が無い訳では無いのですが
フローラルな香りを掻き消すほどではないので充分美味しいです。
只、クリオロのクリーンカップを知ってしまった店主としては
ちょっと嫌な重たさを感じてしまいます。
珈琲で言うとマンデリンでしょうか?
同じスマトラ産でもリントンタイプというクリーンカップを知ってしまうと
マンデリンが重く感じてしまうのと同じ気がします。
只、こちらの農園主のビセンテさんは美味しいカカオ豆を作る為に
色んなことに挑戦し研究しているようなのでもっともっと美味しく成る筈です!
そしていつの日か当店でもエクアドル ナショナルが販売できる日が…
来るかなぁ????

ホワイトカカオ三昧

昨日の話です。
チョコレート博覧会で盛り上がる梅田阪急にて明治さんの
「カカオ農園からチョコレートまで」体験講座~希少品種ホワイトカカオも体験
と言うセミナーを受講してきました!
思い起こせば3年前店主のビーントゥバーへの挑戦はここから始まったのです!!
去年は興味を引くものが無かったので2年ぶりです。
明治さんのセミナー
講師は明治の宇都宮さん、
「メイジ・カカオ・サポート」というカカオ農家支援プロジェクトの中心人物で
世界中のカカオ産地を飛び回っているカカオのスペシャリストです。
先日、テレビでもやっていましたが、明治さんはメキシコに直営農園
しかもクリオロ種だけを植えるというとんでもない農園を作ったようです。
カカオポッド
店主はちょっと遅刻してしまったのですが…
席に着くと目の前には割ったばかりのカカオポッドが
ホワイトカカオや!」っと思いひと粒口にほおばり噛み砕くと…
甘酸っぱさの後に渋ーい味が
メキシコのカカオではなくベトナムのカカオでした
カカオジュース
そしてこれも初体験となる「カカオジュース」
甘味酸味のバランスがとれたとても美味しいジュースでした!!
遅刻の焦りから喉がカラカラだったので一気飲み
チョコ3枚付き
そしてメインディッシュはクリオロ種のカカオ3種の味比べ
上の2種類は3年前にも食べたインドネシアジャワ島(中身は違うかも?)
ベネズエラチュアオで明治さんの子会社「蔵王食品」さん製造の
「100%チョコレートカフェ」シリーズです。
カカオ分62%ながら香料が入ってないのでカカオの味の違いは分かります。
そして下のはメキシコチアパス州ソコヌスコの直営農園で初収穫された
ホワイトカカオを使った「明治ザ・チョコレート メキシコホワイトカカオ」です!!
今年の「サロン・デュ・ショコラ東京」で限定発売され即完売した
とても貴重なチョコレートです!!
ジャン・ルーカ
そして後半はこのお方の登場です!!
イタリア ドモーリ社の創業者
ジャンルーカ・フランゾーニ氏です!!
クリオロカカオに対する熱い熱い思いがビンビンと伝わってきた
夢のようなひとときでした!!
印象に残った言葉は
ホワイトカカオに合うものは?」と言う質問に対し
「カカオそのものが美味いので何かと合わせる必要が無い!!」です。
(店主にはそう聞こえました…イタリア語分からないけど)
超絶品チョコドリンク
そして最後に衝撃の2杯が!!
以前「ぬんぬん」さんに教えてもらったジャンルーカのレシピ通りなら
70%のチョコレート170gと砂糖30gとお湯170gだけで作られた
チョコレートドリンクなのですが…
写真左がメキシコソコヌスコ
淡く繊細な風味ながらナッツにフレッシュフルーツにフローラルが後から後から
どんどんどんどん湧き上がって来る
チョコレートで感じたほんの少しの苦味や渋味が全く無いクリーンカップです!!
思わず顔がほころぶ美味さです。
写真右はベネズエラのクリオロ
メキシコとは対照的なフルボディの濃厚なカカオ感にナッツのオンパレード
そしてこの2つが口の中(喉の中?鼻腔の中?)で合わさると…
香りの大爆発!!
危険危険危険…
こんな美味しいものを体験してしまうとますますプレミアムカカオが使えなくなるゾ
仕方ないので明治さん今年メキシコの半端が10kg20kg出たら分けてください!
お願いします!!!
紫色はアントシアニン
最後の質問コーナーで聞けなかった質問をセミナー終了後に
宇都宮さんに聞く
「ホワイトカカオは紫色が無いから
ポリフェノールも無いのですか?」

と、衝撃の真実が!!!
「普通のカカオ豆の紫色はポリフェノールの1つアントシアニンの色で
ホワイトカカオは当然アントシアニンは無いけど
プロシアニジンというポリフェノールはフォラステロより多い
」とのこと
個々の品種や生育環境・実の熟度等で含まれるポリフェノールの種類や量は
変化するようです。

何時もながら格安の料金でこれほど深い内容のセミナーを開いてくれる梅田阪急様
並びに((株))明治様本当に有難うございました!!

カカオハンターさんの珈琲豆入りチョコ
東京のイベントでうちのチョコを買ってくれたお客様と偶然出会えたり
「さく」さんと久しぶりに会えて長々と立ち話したりと
中々充実した時間を過ごせました。
お土産はカカオハンターさんの珈琲粉入りチョコレート



クラフト チョコレート フェスティバル

クラフトチョコレートフェスティバル
今日から東京の清澄白河で開催される
クラフトチョコレートフェスティバル
店主も朝5時30分に起こされ、女将を駅まで送って行かされました…
ちなみに今日は業界関係者向けのイベントでチョコレートの販売はありません。
漢字は目立つぞ!
明日29日の10時~18時までが当店も出店する
「クラフトチョコレートマーケット」になります。
国内外から20店のクラフトチョコレートメーカーが出店します。
「入場料540円払ってチョコレートを買う」という斬新な試みですが…
日本初出店のメーカーもあり、バンド演奏などもあるようなので
一日楽しめると思います。
イッパイ試食して元を取りましょう!!
で、
奈良の無名店がお江戸でイベント初出店ということで
ここからは初めての方の為の
「クラフトチョコレートマーケット」の夢二香房カタログです!
夢二香房ロゴ
珈琲処豆屋 夢二香房は珈琲一筋25年の店主が
3年前にカカオ豆なるものに出会い
珈琲豆と似て非なる面白さに惹かれどっぷりハマってしまい
女将と二人で週に1アイテム3kgのチョコレートを製造している
世界最小?マイクロバッチパパママ店です。
製造方法は手選別・手回し焙煎・手剥き・手割・ナイスカットミルでの
グラインド後、ココアタウン社のメランジャーでリファイニング&コンチング後
手ンパリングして成型。(将にクラフトチョコレート)
シングルオリジンカカオ豆72%北海道産甜菜糖28%のみで製造しています!
商品
毎週頑張って作っていますが…
今回ご用意できたのはこちらの6アイテムになります。
運よく出会えたカカオの最上級品種「クリオロ種
それも全くタイプの違う3種類が揃いました…これは奇跡に近いかも!
板チョコ2種
後、夢二香房の板チョコは2種類の形があります。
写真左のアーチ状の山が8個連なった板チョコ通称アーチ板と
写真右のマヤ文字のオウムがキュートな薄い板チョコ通称マヤ板があります。
香りの感じ方が結構変わるのでお好みのほうをお選びください。

それでは簡単に個々のご紹介
メキシコ クリオロ種
「王家のクリオロ」
メキシコ チアパス州ソコヌスコ産クリオロ種という激レアカカオです。
この地はアステカ帝国の直轄領として最高品質のカカオが栽培されていました。
20世紀に絶滅するも21世紀に入って多くのチョコレート関係者の努力によって
見事に復活したスペシャルティカカオです!!
今週作りたてなのでまだ、酸味が暴れていますが
フレッシュフルーツとナッツのアロマが堪能できる逸品です!!
ベネズエラ クリオロ種
「talvez(タブン)クリオロ」
ベネズエラ産クリオロ種のカカオ
人類が初めてカカオと出会ったのはメキシコのようですが
カカオの植物的原産地はベネズエラです。
その為、この地には多くのクリオロ種のカカオが現存してます
ナッツの濃厚なアロマが豊かなボディを感じさせ
フレッシュフルーツのアロマが渋味苦味の無さにより
長く余韻として続く「これぞクリオロ!」な逸品です!
コンゴ クリオロ種
「秘密のクリオロ」
コンゴ産クリオロ種のカカオ
19世紀アフリカ大陸でカカオ栽培が始まったころ
多くのカカオの品種が中南米大陸から大西洋を渡りました。
でも結局「質より量」の時代となり生産性の高いカカオが主流となってしまいました。
そして「量より質」の転換期である21世紀にこの地で生き延びたクリオロ種が復活!
200年近くコンゴのジャングルの中で純血を守ってきた奇跡のクリオロ種です!!
雨の多いこの地に温水乾燥設備を備えたことで「ナッツとフローラル」という
スペシャルティな味わいを産みだしました!!
酸味が少ないので日本人には馴染みやすいクリオロ種でしょう
只、手ンパリング失敗により販売量が少ないのでお早めに!
ホンジュラス マヤンレッド(トリニタリオ種)
「XOCO マヤンレッド」
ホンジュラス産トリニタリオ種のカカオ
ドイツ人がホンジュラスで創業したファインカカオ専門のXOCO社のカカオ
マヤ文明の地で自生する選りすぐりのカカオの木から接ぎ木により苗を作り
農家さんへ供給し収穫されたカカオの実を買い上げ、自社設備で
発酵・乾燥工程を一元管理されている高品質カカオです。
レーズンベースで時折赤い果実に渋味が重なる複雑な味わいです。
(写真にはカカオ75%と表示されていますが72%です。
ニカラグア ルゴソ(トリニタリオ種)
「Ingemann ルゴソ」
ニカラグア産トリニタリオ種のカカオ
XOCO社のニカラグア部門を買い取ったデンマーク人のIngemannさんのカカオ
当店では「チュノ」と「ルゴソ」の2品種を扱っていますが
今回はルゴソのみのエントリーです。
昨年10月に製造したものなのでかなり食べ頃になっています。
酸味や渋味が減りナッツや珈琲(ホントは使いたくない表現)のアロマや
ミルキーな食感も出ています。
珈琲の粉3%入り
こちらは食べた方の意見を聞きたくて、試食用を大量に用意している
珈琲入りマヤンレッドです。
同じ中米のエルサルバドルシベリア農園の珈琲粉が入っています。
珈琲粉はエスプレッソ用に挽いたものを最後の最後に投入して
メランジャーで1時間ほど回しただけです。
是非ご意見をお聞かせください!!

それでは皆様のご来場・ご試食・お買い上げ
お待ちしております!!

ベネズエラ クリオロ

ベネズエラ新発売!
今週製造したチョコレート「ベネズエラ tal vezクリオロ
夢二香房のスペシャルティカカオを探す旅…?
14か国目にしていよいよカカオの原産地ベネズエラに到達しました!
ベネズエラには「オクマーレ」「グアサーレ」「ポルセラーナ」「チュアオ」等
多くのクリオロ種が残っています。
生カカオ豆
只、今回入荷したベネズエラカカオの詳細は品種も栽培地も全くわかりません…
その上前回のエクアドル同様クズ豆が多く
ロースト前のハンドピックで10%ちょい廃棄です
粒の大小
珈琲生豆にはスクリーンサイズ16UP・18UPとかAA・AB等のサイズ規格が
あるので、粒の大きさはかなり揃っていますが、カカオ豆にはそれが無く
粒の大きさがバラバラです。
こんなに違う大きさの豆を均一に火を入れる事は不可能です。
当店ではロースト前の選別時に大中小3サイズに選り分けることで
より精度の高い焙煎へと進化しました
ローストカカオ豆
外面はひどかったけど、発酵・乾燥はそれなりに出来ていたようで
ロースト後の皮むき・豆割時のカビ豆混入は4%ほどでした
(決して少ない訳では無いですが…)
香りチェック
恒例の香りチェックでは
ナッツ系の香りが多かったのとフローラルとフレッシュフルーツの中間の
香りが印象的でした。
定価
出来上がったチョコレートの味は…
最初おとなしめのハーブ系から色んなナッツが出てきてフローラルとフルーツの
合わさったようなアロマが加わり複雑さを増した後スッキリ系フルーツの余韻
苦味・渋味の無いクリーンカップはクリオロの証かなぁ
ちなみに「tal vez」は特定の品種や地域を表したものではありませんので
誤解のないようお願いします。
4種類の形状
厚みや形状の違う4種類で販売します
薄い厚いで香りの感じ方が結構変わるので色々試してみてください!!
マヤ文字入りの薄型タブレットはマヤ文明の地のカカオだけに使うと言ってましたが
全てのカカオに使用することにしました!!
ガトー・ド・ストーンヒル
今週の「ガトー・ド・カカオ」はベトナムストーンヒルで作りました!!
改めてストーンヒル農園のカカオ豆の品質の高さを実感しました
是非一度お試しください!

エクアドルナショナル混?

エクアドル72%
今週製造したエクアドル産カカオ72%のチョコレート
エクアドルのカカオと言えば「アリバ ナショナル」
20世紀中はフォラステロ種に分類されていたものの2008年に発表された
遺伝子解析による品種分類では「ナショナル」という純粋種であることが証明されました。
「ナショナル純粋種は絶滅した」とかのうわさもあるようですが…
ナショナルの栽培品種として「EET-19」「EET-95」「EET-544」「EET-576」や
「PVH1」などがあるようです。
生豆
今回のカカオ豆はスペイン経由ではなく南米から直接来たようで
クリーニングされていませんでした…
その為、ロースト前のハンドピックで約10%の豆を廃棄
珈琲の実が1粒入っていました…
廃棄豆
更に、ロースト後の皮むきカビ豆チェックでは20%近い廃棄豆…
30年近く前のマンデリンやモカを思い出します…
「南米ではアスファルトの道路の上でカカオ豆を乾燥さている」
なんていう話も聞くので生産者の顔の見えない物は要注意です。
割った時の香り
気を取り直して、恒例の香りチェック!!
フローラルは「これぞナショナル!!」と言う感じで独特の花の香り
ミントやスパイス系の香りもあり、否応なく膨れ上がる期待感!!

で、メランジャーが回っている間にエクアドルカカオの情報取集
そこで気になる記事を発見!!
CCN51と言うハイブリッド種がエクアドルカカオの品質低下を招いているとのこと
特にナショナルとCCN51が混ぜられて同一の発酵工程で行われると
CCN51は発酵不足となり渋味と苦味が強く出るそうです。
こいつが怪しい
そう言えば外側が黒くて(赤みの無い黒)内側が茶色い豆が多々あったような…
これはまさかのCCN51なのか???
エクアドルアーチ板
で…
出来上がったチョコレートの味は
出足はやさしい花の香りから突如湧き上がる苦味と渋味
その中に花やハーブやスパイスがあるんだろうけど、苦味と渋味に消されてる…
スペシャルティ珈琲に1割のロブスタを入れたブレンドコーヒーのように
ナショナルの極上の風味がCCN51の苦味と渋味に因ってマスキングされているようです。
残念ながらこのエクアドルはナショナル100%ではなくCCN51混のようです…

次回製作時には更にハンドピックを強化してCCN51を排除して
ナショナル100%にしてみますので今しばらくお待ちください!!
今日はベネズエラ製作開始、来週はソコヌスコ…クリスマスに間に合うかなぁ…

CCN51
その昔、世界最高峰の珈琲産出国だったコロンビアに
「バリエダ・コロンビア」と言うハイブリッド種が普及して
一気に品質が下がりスペシャルティ珈琲全盛の今でも
「ティピカ100%」がほとんど出てこない現状を考えると
世界で唯一の「ナショナル」生産国に質より量のCCN51が広まることは
とても危険なことだと思います。
「混ぜればバルクカカオ、分ければプレミアムカカオ」と言うレベルではなく
スペシャルティカカオの時代が早く来ればいいのに…
(来てるんだろうけど日本に来てないだけか…)

と言うわけで
夢二香房はまだまだこの迷宮の中を彷徨い続けます!!